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第6章 緑生期

第2話 冷や汗

 

車のエンジンをかけながらイヤホンマイクを付けた。

「お世話になります!借りることにします!」

「ありがとう、木下くん」

「こちらこそ!!中、見れますか?」

「見れるよ。もう、店使ってないけど、中そのまんまだよ。」

「鍵、借りに行きます・・・・

 

木下はココロオドらせ、新店舗に向かった。

車を運転しながら電話するのが木下の日課だ。

移動時間は、家主様とコミュニケーションの時間だ。

 

 

 

そろそろのはずなんだけど。。。

 

 

新店舗は木下の地元。

 

 

どこだろう。

あぁ。まさか・・・

 

 

まだ春先なのに、木下は額の汗をぬぐった

 

 

数日後、ブルブルブルブル

 

木下はためらっていた。

 

 

「取らないわけ、いかないか。」

「おぉ。お疲れさん!いつ見れるんだ??」

元気のいい松田の声が聞こえた。

「鍵あるんでいつでも見れます。」

 

「ほじゃ、今から行こう!」

 

 

 

 

「大丈夫かな。。」

木下は心の中でつぶやく。

「まぁ、P3台込み75,000円だし。

社長も喜んでくれるよ。

大丈夫。

大丈夫。」

 

いつものゲラゲラ笑いのある話をしていると、

駐車場に着いた。

 

車を止め、松田が言う。

 

「どこだ?」

 

「ここです。」

 

「戸建てじゃないか!!」

 

 

「はい。2階も使えますんで」

 

木下が間髪を入れず答えた。

 

 

「階段、急すぎるよ。

しかも、狭いやないか!!どうすんだ。。」

 

 

 

 

「まぁ。いんだけど。。。

いや、せますぎるやないか!!」

 

 

 

 

木下は準備していたかのように静かに言う。

 

 

 

「社長なら、大丈夫です。」

 

 

 

そういわれると松田は弱い。

そして、すぐ調子に乗る。

 

 

 

 

 

「そうだな、任しとけ!!」

 

 

 

 

「さすがです、社長!!

 

 

 

自称、明るいオタク。

松田はお店の設計を描き始めた。

 

 

 

 

 

 

2015/09/17 16:42

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