第3章 船出
第1話 お店の名前は?
2003年3月
夢の詰まった店舗がオープンする。
がむしゃらに働けた原動力のひとつが形になる。
中区住吉町で部屋店2号店となるテナントが決まった。
約8坪ほどの小さなお店ではあるが、
目の前にバス停があり、
多くの人の目にとまる場所に位置していた。
ここに
黄色の看板を付けると、
さぞかし目立つだろう。
また、
資金を必要最小限に抑えたかったため、
お手頃価格であったこのテナントは
松田のイメージにぴったりだった。
その数日後、松田は考えていた。
住吉のテナントが決まり、まず考えたことは、
名前をどうするか?
ということだった。
これまでは「本店」しか
なかったため、
今回初めて
店舗名を
決めることになり、
いろいろと
案を出してみた。
やはり
住吉にお店を作るのだから、
住吉支店か?
いや、
それでは小さくまとまったお店になってしまいそうだ。
部屋店は、いずれ広島で
一番になる会社だ。
松田は、今は
まだ小さな会社だが
ここから大きく踏み出したい
という想いを持っていた。
その想いを前面に出した
店舗の名前を作りたかった。
まずは
広島で一番・・・
広島の中区に店舗がある・・・
中区では一店舗と考えていない・・・
中区の南側に位置している・・・
そして広範囲をカバー・・・
広島市中区の南に位置していて、
しかも広範囲に対応できる店舗名!
そうだ!
中央南支店にしよう!
こうして
2号店は
中央南支店
という名前に決定した。
中央南支店に机やイスを並べ、
少しでも安く抑えるため、
自分達で手作りの棚を作り、
業者さんへの価格交渉なども行った。
3月下旬、
部屋店がOPENしてまだ
約半年ではあったが、
ついに
2店舗体制で
営業を始めることとなったのである。
本店で結果が出始めたのは
2003年に入ってからだ。
その3ヶ月後には2号店が出来る。
このスピードの速さは他では
なかなかないだろう。
部屋店の夢は一つずつ、
一段階ずつ、
着実に登って行ったのである
2011/11/29 21:13