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第3章 船出

第8話 コント?

 

 

 

 創業から1年数ヶ月部屋店はついに3店舗になった。 

より多くのお客様により多くのお部屋を
 
ご紹介できる環境が整ってきた。
 
 
広島西支店のオープン準備は今までにないほど大変なものだった。
 
 
 
広さが本店や中央南支店の5倍。
 
 
 
広い店内の床をただひたすらたわしやスポンジで磨く作業は
 
同時に精神力も磨かれた
 
 
 

水は冷たいが、夏なら倒れていたかもしれないほど
 
汗を流し手際よく磨く。
 
 
 
 
それと平行して行われたのは店外の看板製作
 
 
 
 
松田は現場へ行き看板を頭の中で描いていった。
 
「可能な限り大きく、明るい、目立つ看板」
 
業者に細かく指示を出した。
  
 
数日後、看板が取り付けられた。 
 
出来上がった看板は指示通り。
 
 
 
 
 
実物を見た松田は真っ先に声が出た。
 
 
 
 
 
「でかっ!!」
 
 
 
 
実際に取り付けると、イメージ以上に大きく、とにかく目立った。
 
 
 
 
 
一旦目をそらし、込み上げてくる
 
「やりすぎた」という思いを約1分違う思いに変える。
 
 
まぁ、おもしろいから良しとしよう
 
 
この時も松田はプラスに変えた
 
ここまでくれば一つの芸なのかもしれない。
 
もう一つ大切な事がある。スタッフの募集だ。
 
 
 
 
お金の問題で数ヶ月前までは、広告掲載が難しい状況だったが、
  

今はそれが出来るまでになった。これも成長の証かもしれない。
 
 
意気込んで電話を待つが応募者からの連絡がなかなか入らない。
 
 
 
 
広告掲載して約1週間が過ぎた頃、1本の電話がかかってきた。
 
 
 
 
 
 

求人情報を見ました。面接をお願いします
 
 
 
 
 
 
 
電話の先は 比較的若そうな男性。
 
当然断る理由もなく手帳に面接と記入した。
 
 
 

 
そして面接の当日、面接会場である広島西支店の扉が開いた。
 
 
 
 
 
「こんにちは、面接を受けにきました大久保です」
 
 
 
 
 
スーツを着た若い男性だ。第一印象は悪くない。
 
今回の面接は木下が担当する事になっている。
 
 
大久保がしっかりと自分の意見、考えを伝え、 
 
木下も仕事の内容や、質問に答えていった。
 
 
よく話した。
   
 
1時間を超えたあたりで、
 
大久保はスッと立ち上がり会議室を出る。
 
 
 
 
大きな声で
 
「今日はありがとうございました」 
 
と頭を下げた瞬間に衝撃が走った。
 
 
 

ゴン
 
 
 
 
 
緊張していたのか、わざとなのか。
 
まるでコントのようにドアにクリーンヒットした。
 
 
 
時間が止まる。
 
面接の1時間よりも長く感じただろう。
 
そして2人は状況を把握し、笑った。
 
当然だが言葉を交わすことなく大久保はお店を後にした。
 
 
おでこをヒットさせた事と赤のボールペンしか
 
持って来なかった事が
 
木下の心に深く刻まれた。
 
 
 
 
 
 
そして検討した結果採用となった。
 
 
また一人、部屋店に強く愉快な仲間が増えた。
 
大久保以外にも部屋店の歴史に名を残す重要な仲間が入社する。
 
 
 
この時を期に部屋店は転換期迎えていくこととなる。

 

2012/05/26 13:05

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