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第5章 転換期

第9話 研修成果

 

 

松田は待合室のソファで大きく背伸びした。

 

熱い缶コーヒーに口を付け、テーブルにコーヒーを置いた。

 

「よーし、そろそろだ。楽しみだな。ちゃんと発表できるかな。」
 
「大丈夫ですよ。」
 
元田は苦笑いで返した。
 
「このくだり、3日前にも聞いたぞ!クリリン!!
 
「今日は大丈夫です!僕達が自信を持って採用したキャスト達じゃないですか?」
 
「そうだな。楽しもうじゃないか。」
 
 
 
 
 
 
 
 
新入社員研修は缶詰のせいか、疲れも見え始めていたが、
 
 
みな、表情は良く、やる気に満ち溢れていた。
 
 
最終日の最後に各委員会ごとに発表が行われる!
 
 
 
委員会にはリーダーやタイムキーパー、書記に、挨拶などが書いてあった。
 
 
 
 
松田は時計を見ながら研修会場の扉を見つめた。
 
最後の休憩の時間になったと同時に、研修会場の扉が勢いよく開いた。
 
 
 
「お疲れ様でーす!!」
 
感動の舩越が松田を見つけ、笑顔で駆け寄ってきた。
 
 
「お疲れ様です!!」
 
「お。照れが減ってきたな!」
 
少し照れ屋な※潮が恥ずかしそうに笑った。
 
   ※ミドルネームが、「少し照れ屋な」潮
 
 
「おつかれさまです!!!」
 
潮に続いて、さらに元気な挨拶で気合の高尾が駆け寄ってきた。
 
 
それぞれみな松田のもとに駆け付けた。
 
 
「頑張っとるかね?」
 
8人全員元気よくうなづく。
 
 
「社長、研修参加させていただき、本当にありがとうございます。」
 
 
松田は本来、シャイで照れ屋である。
 
 
少し恥ずかしそうに
 
 
「そうか、そうか。」
 
と嬉しそうに答えた。
 
 
 
その光景を元田は人事担当として親のように喜び、目頭が熱くなった。
 
 
8人は3日前とは見違えるほど表情が社会人になっていた。
 
 
 
松田も元田も初めての研修に参加させて本当に良かったと感じた。
 
 
 
 
休憩も終わり、いよいよ発表会だ。
 
会場の後方は混み合っていた。
 
「ご無沙汰してます。」
 
松田はお世話になっている社長に声を掛ける。
 
「松田さん、ひさしぶりだね。
 
そういえば、お宅の新入社員は元気がいいね。
 
   1人、挨拶委員会の委員長になった子がいるよ。
 
   越さんだったかな。
 
   明るく、みんなを引っ張って行ってくれているよ。」
 
 
「そうですか。委員長ですか。発表が楽しみです!」
 
 
松田は、集大成となる発表に胸を膨らませた。
 
 
 
 
 

2014/12/12 18:15

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