第5章 転換期
第3話 釘の目をみる男
2005年の秋
松田の結婚を皮切りに
無事に役員全員結婚できた
そんな幸せのネジをしめるように松田が声をかける
「さてと気を引き締めろよ。」
「これから部屋店を日本一の企業にするぞ! 」
「人は城、人は石垣、人は堀」
松田は武田信玄のこの言葉が好きだ
人財があってこその会社
この頃人事担当も兼務していた松田は常に人財を欲していた
ある日、松田は一人の入社志望者の面接を行っていた
シュッとした面立ちのその青年は
自信に溢れ受け答えも堂々としている
若干20歳の彼の現在の職歴 それは「無職」
履歴書に目をやる
学歴や職歴も特出したものではないし字も汚い。
松田の頭には「不採用」の文字が浮かぶ
松田は質問する
「君は今まで一生懸命に打込んだことがあるか?」
彼は悪びれることなく即答する。
「パチンコです」
!!!
2013/06/12 10:41